50歳を過ぎた頃から膝が痛くなっては治るというのを繰り返してきました。
その感覚が徐々に短く、また痛みも激しくなってくるように感じたので、先日整形外科でレントゲンを撮ってもらいました。結果、膝軟骨がすり減っていると言われました。もう元どおりには治らないのでしょうか?

ご年齢や、医師から膝軟骨のすり減りを指摘された点などから考えて、変形性膝関節症である可能性が高いと考えられます。以下では、その前提に基づいて回答させていただきます。

膝関節の「軟骨」の働きとは?
膝関節の軟骨は、膝を構成する2つの骨(太ももの骨とすねの骨)の接着面を覆うように付着しています。軟骨の表面は白くて滑らかで、まるで陶器のようにツルツルした外見です。また、適度な硬さと弾力性があります。このため摩擦が少なく、関節をスムーズに動かすのを助けてくれます。健康な人の場合、その厚みは5~7mm程度です。

軟骨はなぜ擦り減るのか?
高齢になると軟骨細胞の新陳代謝が衰え、その結果、軟骨自体が薄くなったり、傷つくなどしてすり減りやすくなります。
また、肥満や、膝に負担のかかるスポーツや仕事の経験、靭帯や半月板のケガの既往があると、より一層すり減りやすくなります。このほか、遺伝的な素因も軟骨のすり減りやすさに影響すると考えられています。


すり減った軟骨は元に戻らない
膝の軟骨は時間とともに少しずつすり減り、一度すり減った軟骨が自然に元に戻ることはまずありません。軟骨のすり減りが顕著になって痛みを感じるようになったら、なるべく軟骨がすり減らないよう(膝にかかる負担を少なくするよう)、日常生活でも配慮してください。例えば、重いものを持たないとか、膝を支える太ももやお尻の筋力強化にはげむなどです。床に直接座るのを避けたり、寝具をベッドに変えるなども有効です。
それと並行して、痛みを軽減する治療を受けられることをお勧めします。


治療はどのように進められるか?
軟骨には神経がないので、軟骨のすり減り自体は痛みの原因になりません。
痛みの原因は、すり減った軟骨のかけらが膝を包んでいる膜(滑膜)を刺激すること生じる関節内の炎症です。一方、多くの患者様のお悩みは痛みです。
よって治療の第一の目的は痛みの軽減とし、それに向けた治療を行います。
ただ、最近自由診療で行われるようになった再生医療では、痛みの軽減とともに、軟骨をはじめとする関節組織そのものの修復を目指します。これによって長期的な予後の改善を狙います。


【保存的治療】
薬物療法:
剤型は飲み薬、座薬、貼り薬など多種多様。代表的なものはアセトアミノフェン、非ステロイド性消炎鎮痛薬、COX-2阻害薬、オピオイド鎮痛薬です。どのような鎮痛薬を用いるかは痛みの程度、生活習慣などを考慮して選択します。

ヒアルロン酸注射:
関節の内部は関節液という粘り気のある液体で満たされていて、関節の滑りをよくする潤滑油の役割を果たしています。しかし、関節内に炎症が起こるとヒアルロン酸が薄まって粘り気が失われ、潤滑油として十分機能しなくなります。ヒアルロン酸注射は、少なくなったヒアルロン酸を補う治療法です。

ステロイド注射:
ステロイド薬は抗炎症作用が非常に強いので、膝の炎症や痛みが強く日常生活に支障がある場合などには優れた効果を発揮します。だだし、頻繁に投与すると関節が破壊されてしまうので、投与回数は慎重に検討する必要があります。



【手術治療】
一般的に、保存療法を3〜6カ月行っても十分な効果が得られず、生活に支障がある場合に検討されるのが、手術療法です。手術法は大きく3種類ありますが、病期、年齢、全身状態、生活への影響などを考慮して、実施するかどうかを検討します。

関節鏡手術:
ひざのお皿の周囲に1cm程度の孔を2〜3カ所に開けて行います。1つの孔から直径4mm程度の関節鏡を挿入します。映し出される映像を見ながら、別の孔から手術器具を挿入して、切れた半月板や滑膜、関節液に浮遊している軟骨などを取り除いていきます。
関節の中を綺麗に掃除することで炎症を起こしにくくする目的があります。

高位脛骨骨切り術:
関節内視鏡手術で症状の改善が期待できない際に検討されるのが、脛骨骨切り術です。膝軟骨の内側か外側のいずれかが正常に保たれている場合は、この手術の適応となります。すり減っていない側の脛の骨の一部を膝の関節近くで切って、偏ってしまった荷重がなるべく均等にかかるよう、傾きを修正する手術です。成功すれば、膝にかかる荷重が均等になって、膝のぐらつきも少なくなります。

人工膝関節置換術:
すり減って変形してしまった関節の表面を、人工的な部品に置き換える手術です。関節全体を置き換える全置換術(TKA)と一部だけを置き換える単顆置換術(UKA)があります。
人工関節置換術は疼痛の大幅な改善が期待できますが、正座や激しい運動は難しくなります。また、身体への負担が大きく、他の手術療法に比べてリハビリが大変になる可能性があります。適応となるのは、およそ60歳以上で、スポーツや激しい運動を行わない方です。



【再生医療】
血液中の血小板が放出する成長因子(グロスファクター )や皮下脂肪に含まれる幹細胞の働きを利用して、関節内の炎症を鎮めるとともに、軟骨など関節内組織の自己修復を促す新しい治療法です。



これまでは、保存的治療で十分な効果が得られない人には手術という選択肢しか残されていませんでしたが、手術治療を受ける際には入院が必要になるのと、手術後は長期間リハビリに専念する必要があります。つまり、時間や労力に多くのコストを裂かなければいけません。
その点、血液や脂肪組織を使う再生医療は外来治療のみで受けられ、こうしたコストをかけることなく、保存的な治療を上回る効果が期待できます。
保存的な治療で十分な効果が得られないけれど、手術や入院は避けたいという方々にとって新しい治療選択肢として注目されています。


※当院は膝の再生医療を専門に扱うクリニックです。
再生医療に興味をお持ちいただけた方は、はじめて受診相談よりお問い合わせください。
再生医療は優れた治療ではありますが、誰にでも効果が期待できるものでもありません。
また、保険外診療ということで自己負担も高額です。
まずは専門医である私たちが責任を持って、適応診断をさせていただきます。

情報提供医師

橋爪 孝典 医師(東京ひざ関節症クリニック 新宿院 院長)

日本整形外科学会認定専門医

橋爪医師の詳しいプロフィール

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